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小越 建典

DXってこういうこと!


cookeon

日本で5000万ダウンロードされている「Coke ON」は、もうお使いですか? まだの方も、コカ・コーラの自動販売機が、スマホ対応になっていることにお気づきの方も多いはずです。

Coke ONをスマホにインストールして、自販機で商品を購入するとスタンプがもらえます。スタンプを貯めると、無料でドリンクと交換できる、というのが基本的な仕組みです。

要するにビジネス視点でいえば、アプリを使ってメーカーと消費者が直接つながるDtoC(Direct to Consumer)のマーケティング。そして、デジタルを活用して新たな価値を創造する「DX」のお手本です。

これまでの自販機は、ユーザーにとってはただの箱。よほど目的の商品がない限り、どこでどのメーカーの商品を買っても同じ、という人が多いのではないでしょうか。

しかし、Coke ONユーザーの見ている景色は違います。通勤通学や何気ない散歩でも、お得なコカ・コーラのスマホ対応自販機は光って見えるはずです。

アプリ内では、各種キャンペーンや、歩くだけでスタンプが貯まる「Coke ONウォーク」など、アプリの利用を習慣化させる仕組みもあります。これは強烈な囲い込みです。少しくらい歩いても、ポイント目当てで同社の自販機を探して買う人もいるのではないでしょうか。

また、「誰が、いつ、どこで、何を買ったか」というデータをマーケティングに活かすことができます。これまでは年齢や性別、地域といったデモグラフィックデータで、顧客のニーズやマインドを考えるしかありませんでしたが、Coke ONでは購買データという事実をベースにできます。一人ひとりに合わせて、きめ細かい商品の提案やキャンペーンが打てるわけです。

すっかり定着した「DX」のワードですが、単なるデジタル活用にとどまっているケースが、多いように思います。ダイナミックにビジネスのあり方を変える本当のDXのイメージとして、多くの人の身近にあるCoke ONは、よいサンプルではないでしょうか。

 

株式会社シーティーイーは、企業がつくる雑誌「コーポレートマガジン」を推進します。

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