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藤田 陽司

誰に嫌われるか?

2010年に発売された名著「ストーリーとしての競争戦略」、13年経った今も、その魅力は色褪せません。 楠木健さんは経営書を長編小説のように読ませる才のある方です。個人的に音楽の趣味も重なる面が多いので、いつかじっくりお話しをしてみたいお一人だったりします。 この本では、誰もが非合理的だと思う戦略でも、実はそこを中核に持ってくることで追随を許さない競争戦略になる、ということを言っています。 例えばカフェチェーンなら「待たせず素早く、美味しいコーヒーを提供する」というようなコンセプトが合理的な戦略と言えます。 ところが「客の居心地のいい空間=サードプレイスを提供する。お急ぎのお客様に嫌われてでも、居心地優先でお待ちいただく」という強烈なコンセプトを引っ提げて日本に上陸したコーヒーチェーンがあります。 そう、スターバックスです。1996年に日本1号店が開店したとのことなので、もう27年にもなるのですね。


非合理的な戦略

2010年代の「ノマド」ブーム(スタバでノートPCを開き何やらカチャカチャやっているのがカッコいいとされた「オシャレサードプレイス」時代)を経て、今こそ本当にスタバの「サードプレイス」コンセプトが浸透し根付いている感があります。 事業戦略を立てる際によく「何をやらないか」を決めることが重要と言われます。 同時に、「誰に嫌われるか」を明確にすることも決めるべきなのかもしれません。 スタバはコーヒーとともにチャチャっと小腹を満たしたいビジネスマンには嫌われてもよい、とコンセプト設定したわけですね。 え、私ですか? 待つのは嫌いなので、平日は絶対スタバに近寄りません(笑)

 

株式会社シーティーイーは、企業がつくる雑誌「コーポレートマガジン」を推進します。

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