top of page

terra°ce lab

小越 建典

採れたてCO2、いただきます。


藻類培養プラント

石油に代わる素材、エネルギー源、あるいは食品として、期待を急上昇させているのが「藻(も)」です。コンブやワカメの仲間で、特にミドリムシやクロレラ、スピルリナといった微細な藻類は、「生産効率が高い」バイオマス(植物由来の資源)。燃料となるオイルや、栄養源となるタンパク質の、面積あたりの収量が圧倒的に大きいのです。 藻類を未来の一大産業とするべく、先進的な取り組みを行っているのがバイオベンチャーのちとせグループ。2023年3月、マレーシア サラワク州で、世界最大規模の藻類生産設備『CHITOSE Carbon Capture Central(C4)』の稼働をスタートさせました。 大きいだけではなく、効率的に藻を培養する仕組みに注目です。 藻類を育てるには、光合成を促さねばなりません。従来は、太陽光がよく当たる浅いプールのような設備で生産されていました。 いっぽうC4では、フラットパネル型の藻類生産設備が採用されています。パネルを立てて設置することで表面積を増やし、より多くの藻類に光を当てられるので、敷地を効率よく活かすことができます。 さらに、火力発電所のすぐ横の敷地に建設されているのもポイント。なんと、発電所が排出するCO2(二酸化炭素)を直接取り込んで、パネルに送り込むのです。ご存知の通り、石油や石炭を燃やして発生するCO2は温暖化の原因とされますが、植物の光合成には欠かせない物質。大気に放出される前に、吸収して有効活用するサイクルができれば、社会や産業のあり方は大きく変わるかもしれません。 このように、世界的に有望な事業に取り組むちとせグループですが、元は2002年に設立された研究所。商品、サービスへの転用は苦手なので、他社との協業を進めています。エネルギーや食品、素材など各分野の企業とともに、藻類の力を社会に実装する「MATSURI」プロジェクトを進めています。 藻類産業を構築するプロジェクト「MATSURI」を運営するちとせグループ 世界最大規模の藻類生産設備の稼働を開始 ちとせグループ(以下、ちとせ)は、マレーシア サラワク州にて建設を進めてきた世界最大規模(※1)の5haの藻類生産設備『CHITOSE Carbon Capture Central(以下、C4)』が完成し、稼働を開始したことをお知らせいたします。ちとせは、C4にて持続可能な航空燃料(SAF)等の製造に向けた藻類の長期大規模培養技術の確立を行なうと同時に、藻類の幅広い用途開発を実施して参ります。 尚、C4はちとせグループの中核企業であるちとせ研究所が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)の委託事業(※2)として建設したものです。 藻類産業を構築するプロジェクト「MATSURI」を運営するちとせグループ 世界最大規模の藻類生産設備の稼働を開始 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000034251.html


※1 効率的な藻類の生産とその大規模化を叶えるフラットパネル型藻類生産設備

#※2 バイオジェット燃料生産技術開発/微細藻類基盤技術開発/熱帯気候の屋外環境下における、発電所排気ガスおよびフレキシブルプラスティックフィルム型フォトバイオリアクター技術を応用した大規模微細藻類培養システムの構築および長期大規模実証に関わる研究開発

 

株式会社シーティーイーは、企業がつくる雑誌「コーポレートマガジン」を推進します。

詳しくはこちらまで。

最新記事

bottom of page