レボーン社は、人間の鼻にあたる独自の「においセンサー」と、脳にあたるAIを備える「iinioi® cloud」を開発します。同社が挑む、「嗅覚のデジタル化」とは何か? 従来から臭気を客観的に判定するセンサーはありましたが、それらは酢酸やアンモニアなど、「においを発する成分」を検知しているのであり、正確にはにおいそのものは判別できません。そこで同社は、センサーで鼻腔内の嗅覚受容体(※)の再現に取り組み、成功。データをAIが処理することで、人間がにおいを知覚するのと、同様のメカニズムを構築しています。 においは個人的な感覚であり、調香師やソムリエなどのプロでも表現は曖昧だといいます。一方、同社の技術ではにおいを定量的に表現できます。例えば日本酒の場合、AIは、メロン臭、スパイス臭、ハーブ臭など、20軸程度のパターンで、においを記録します。 さらに、AIが判別するにおいのパターンを元に、においを個人に合わせてわかりやすくビジュアル化する「香度®」の実装にも取り組みます。実現すれば、例えばネットでも香りの詳細な情報を元に、酒や食品を選べるようになるでしょう。「糖度」が野菜やフルーツのおいしさの指標になっているように、香りでブランドをつくる企業や生産者も現れるはずです。 嗅覚は解明されていない点が多いだけに、期待が大きい新技術です。 ※人間は400の嗅覚受容体を持つと言われ、それぞれ異なるにおいをキャッチしている。脳はそれらからの複雑な情報を処理してにおいを知覚する。 ●レボーン社 https://www.revorn.co.jp/
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