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小越 建典

ネーミングが共通認識をつくる


ネーミングが共通認識をつくる

先日、スタッフのひとりが、友人から「授かり婚しました!」というメッセージを受け取ったそうです。妊娠後に結婚することを「できちゃった結婚(デキ婚)」と呼び、最近では「授かり婚」になりました。デキ婚が社会に受け入れられる一方、少子化が深刻化するという世相をよく表したネーミングです。


同じモノ、コトでも、ネーミングやコピーライティングで、相手に与えるメッセージは180度変わります。アメリカでは「ショットガンウェディング」という呼び方があるそうです。「娘の父親が相手の男にショットガン(散弾銃)を突きつけて結婚を強いる(デジタル大辞泉)」ことからできたことばだそう。あたたかみの強調された「授かり婚」と比べると、たいそう恐ろしいイメージですね。


ネーミングの転換

名前をつけることで、初めて人はモノやコトに対する認識を共有できます。「ある生活用品メーカーが、在庫になっていた折りたたみ式のハンガーを「旅行用ハンガー」として売り出したところヒットした」という話を聞いたことがあります。商品の機能を表す説明的なネーミングから、用途がひと目で分かる表現へ。改名で売れた事例は数多いですが、表面的な言い換えなどではなく、ことばの力で商品の価値を「再定義」した秀逸なアイデアです。

既存商品の売れ行きが課題なら、ことばで商品の本質を定義し直してみてはいかがでしょうか?


 

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